オウム真理教事件の死刑囚の死刑執行後、いろいろな反応がメディアやネットで出ています。

オウム事件の被害者

様々な反応がでるのは、それだけ多くの人が注目していて、異なる意見を持ってる証拠ですよね。

でも
「死刑執行数が異常!」とかいう声を聞くと、ちょっと異様さを感じます。

私は死刑制度支持のほうですが、それを抜きにしてもなぜ執行数や執行頻度が問題になるのでしょうか。

死刑囚の死刑執行に対して批判や異常と訴えている声が大きくなればなるほど、被害者や家族の存在が無視されているような気がしてならないんですよね。

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死刑執行に対する批判

オウム死刑囚の死刑執行は、まず7月6日に6人行われました。

このときから、死刑執行に疑問を抱く声が出てましたね。

特にこれには絶句しました。

ジェ、ジェノサイド?!

「ジェノサイド」って、同化のために行う民族浄化や大量殺人のことをいうんですよ。

特定の宗教や文化を持つグループの抹消を、日本がやったとでも?!

捜査、裁判、判決、法務大臣のサイン、と、法の手続きを踏んで行われています。

それをジェノサイドとは。とんでもない表現です。

また、7月26日に、オウム事件の死刑囚13人の死刑執行が全て終わった後、メディアは一斉にこのことを報道しましたが

「13人全員の死刑執行」
「1ヶ月で2度の執行」
という見出しが多かったのが印象に残りました。

これらの数字に嘘はない、でも、その逆に、オウムによって被害を被った人たちの数字が見出しになっていないのが不思議です。

それに連呼するかのように、13人の死刑囚の死刑執行を異常と批判する意見もあちこちから出ています。

さらには、「公開処刑」と表現するコメンテーターも。

「公開処刑」と言っただけでなく、「被害者であり加害者」と、死刑囚の擁護とも取れる発言をされてますね。

「更生させる余地があったのでは」という意見もあります。

ここまで来ると決定的、事件の被害者の存在がまるっきり感じられないレベルにまで発展しています。

「100年以上前に逆戻り」オウム死刑執行で抗議集会(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース「100年以上前に逆戻り」オウム死刑執行で抗議集会(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース 

こういう意見を聞くたびに、思うんです、

「忘れてませんか?オウム死刑囚たちがやったこと」って。

殺人事件だけで9件、死者30人以上

オウム真理教が関与したとして起訴された殺人事件は9件です。

ここには立件されていない殺人事件は含まれていません。

「9件の殺人事件」と聞いただけでも異常。
さらに、もっと事件を起こしていたということですから、異常の何者でもありません。

ウィキペディアから、オウム真理教が関与したとされる事件の一覧引用してみます。

オウム真理教が起こした事件1

オウム真理教が起こした事件2

出典

○発生した事件・・・42件
○死者・・・31名
○負傷者・・・6917名

一覧に載ってる事件を参考に、ざっと計算しただけでもこの数字です。

これだけの多くの人の命を奪い、命の危険に晒したわけです。

異常というのなら、死刑執行ではなくて、こうした事件を起こした教団が異常なのではないでしょうか。

死刑執行後、死刑を執行したことを批判する声に、こうした事実が隠されてしまった気がしてなりません。

死刑制度は白黒簡単につけれる問題じゃない

オウム死刑囚の死刑執行後、作家の村上春樹さんが、毎日新聞に寄稿しました。

死刑制度には基本反対の立場である村上さんですが、「『私は死刑制度に反対です』とは、少なくともこの件に関しては、簡単に公言できないでいる」と、複雑な気持ちを綴っています。

村上春樹氏、オウム13人死刑執行に「『反対です』とは公言できない」(AFP=時事) - Yahoo!ニュース村上春樹氏、オウム13人死刑執行に「『反対です』とは公言できない」(AFP=時事) – Yahoo!ニュース 

村上さんは、「アンダーグラウンド」を執筆するときに、地下鉄サリン事件の被害者や遺族にインタビューしたことがあり、その苦しみを間近で感じたからなんだそうです。

公安調査庁のサイトでは、地下鉄サリン事件の被害者家族の手記を公開しています。

それを読むと、「事件さえ起きなければ」という悔しさが湧いてきますし、事件から20年以上経った今も苦しみや悲しみが続いていることが伝わってきました。

被害者のことを考えると、死刑制度に白黒つけるということは、とても難しいことがわかります。

そう簡単じゃないんですよね。

死刑執行後の被害者や家族のインタビューでも、いろいろな感想が出ています。

この記事を読んだだけでも、それがわかります。

「当然だ」「一人で十分」=遺族や被害者-オウム死刑執行:時事ドットコム「当然だ」「一人で十分」=遺族や被害者-オウム死刑執行:時事ドットコム 

答えはひとつじゃない、いや、ひとつと決めつけるものじゃないんだ、ということを感じました。

死刑制度について考える時、いつも自問します。「もし、身内が同じ目にあったらどうだろう」って。

そうするとどうしても、単に「死刑制度は反対」という気にはなれないのです。

もし、死刑制度を反対するなら、制度そのものではなく、そんな制度がなくても平和でいられる世の中なるよう努力するほうが建設的ではないでしょうか。

これはきれいごとでしょうか。

でも、事件の被害者や、遺族の声を聞くと、「オウム真理教事件のような凶悪事件を繰り返さない、そのために国や社会はどうしたらいいのか」ということを考えるほうが大事だと思えてくるんです。

今回は、ということでした!

参考サイト:
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018072600474&g=soc
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E7%9C%9F%E7%90%86%E6%95%99%E4%BA%8B%E4%BB%B6
http://www.moj.go.jp/psia/aum-23nen.html
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180728-00000001-asahi-soci